夏瀬佐知子の小説のつもり日記 短歌を詠んでいます。小説も少し書きます。夏瀬佐知子の日記です。
ボス指南・8回目

一昨日、午前0時まで仕事をした。

昨日、午前11時から午後2時まで、家を留守にした。
仕事を納品しに行ったのだ。

帰宅して、エレベーターを降りたら、ふぅの啼き声が聞こえた。
ドアを開けると、ハウスの中で暴れるような音と、啼き声が。
すっ飛んで様子を見に行ってしまった。
これが間違いだったのだ。きょうの訓練で訓練師さんに諭された。帰ったときも、出かけるときと同じように、知らん顔をしなければいけなかったのだ。
顔を見せると、ふぅの啼き声は遠吠えになった。「怖かったよー、寂しかったよー!」というような。
つい「よしよし、オシッコしたいのかな」と言って、ハウスを開けると、床が濡れていた。
ふぅは飛びついて来た。今まで、こんな風になったことはないのに。
トイレに誘導しても、興奮がなかなか治まらず、わたしまでパニックに陥りそうだった。
それでも、いやいや、ここを踏ん張らねば、と気持ちを静めて、トイレでまだハアハア言いながらくるくる回っているふぅを一人にして、ハウスを綺麗にして、再びふぅをハウスに戻した。
お水をあげると、器一杯分を一気に飲んだ。
まーぶるが隣りにいなくて、一人で、狭いハウスで、ひと月ぶりの我が家で、不安だったのね、と思った。

午後3時半、ご飯を昨日より「クンクン」が激しいけれど、だいぶ落ち着いてきたのであげた。

午後4時半、夕刊を取りに、階下まで行った。
帰ってくると、ふぅがまたパニック! またオシッコを漏らしている?!

駄目だ、ひと月経ってこれだもの、もう可哀想過ぎる、2歳と9か月だもの、もう治らない、治す前にふぅの神経がおかしくなっちゃう、わたしもおかしくなっちゃう、まーぶるも家に返してもらおう、と本気で思ってしまった。

すぐに訓練師さんに電話をしようと思ったのだが、いやここで諦めちゃいけない、という気持ちも奥底にあって、苦しい葛藤の一夜を過ごした。

そして、きょうの朝、公園での訓練の前に、ちょっとお話してもいいですか、と、昨日のふぅの様子を話した。

「飼い主さん次第です。何度も言いますが、飼い主さんが変わらなければ、犬は変わりません。確かに、年齢的なこともありますから、日数はかかります。でも、これからのほうが長いんですよ。オシッコをもらそうが、騒ごうが、イケナイことはイケナイ、と辛抱強く教えてあげるしかないんです。パニックに陥ったり、どうしたらいいんだろうと思ったら、電話をください。そんな一人で抱え込まないで遠慮なく連絡してください」

うぅ。何度、同じことを言われれば……。
若い訓練師さんに諭される、駄目なわたしでありました。

2007年06月29日(金) No.165 (愛犬)


ボス指南・7回目

昨日の話。

朝の9時40分から働いて、昼食休憩を1時間とって、13時半から16時半まで働いて。

自転車の前カゴにまーぶるを乗せて、訓練師さんと待ち合わせの公園へ向かおうとしたちょうどそのとき、電話がかかってきて、自宅での訓練に変更。
霧雨が降っていたから。

まず、ドア・チャイムに吠えるまーぶるのリードを引っ張って、やめさせる訓練。
私の引きでは、吠えやまない。で、何度もやらされることに。うぅ。
引きのスピードです、とか言われても……、とかまた反発心が……。
いかんいかん。
ふぅは訓練師さんの横で、大人しくしていた。

次に、タッチング。まーぶるが訓練師さん。ふぅを私が。
座らせて、耳、口、歯(犬歯)を触る。
伏せの体勢にもっていき、そのままゴロリと横向きに。頭も床につけさせたまま、手先・足先・尻尾・お腹を触っていく。
まーぶるが抵抗している。自転車の前カゴに乗ったときから、ちょっと興奮気味だったのだ。で、チャイムだし。

うちの子たちは、かなり分離不安が根強いらしい。
「自立させないと」と、何度も言われてしまった。
ハイ。私が自立しないと。

夕食を終えて、19時45分から23時半まで仕事。
ふぅがオシッコもウンチもしない。心配だ。

今日の話。

午前5時、クンクンと啼くふぅに起こされて、オシッコかと思いトイレへ。
しかし、しない。12時間、していない。昨夜の21時頃、お水をたくさん飲んだのに。

朝食後、やっとオシッコとウンチをしてくれた。
眠って起きると、クンクン啼いている。
ふぅのハウスはまーぶるのハウスより大きいし、まーぶるは黒がメインだからそーっとハウスをのぞきに行っても影と一緒になって目が合わなかったのに、ふぅはほとんど白なのですぐに黒い目と合ってしまう。

午後2時半からリーダーウォークをして、タッチングをして、またハウスへ。
私は仕事。
また眠って起きたらクンクンが始まった。ワン! になったので、すっ飛んで行って「いけない!」とハウスを叩いた。

家にいるときは、ずっと必ず同じ部屋にいたからねぇ。くっついていたからねぇ。ごめんね。お母さんがいけなかったね。

短歌講座。行けません。
この仕事、嫌いじゃないのですが、向いていないかも。
まだスピードが上がらない。まだギリギリ。
7月の終わりまで、頑張ってみますけど、定時の仕事を考えたほうがいいのかな、と考え始めてます。
入金もまだだし。4月の仕事分がまだ入らないなんて……。ちょっと厳しすぎますよねぇ。ふー。


2007年06月27日(水) No.164 (愛犬)


部屋でのリーダーウォークだけでは可哀想だ

ふー。今日も7時間11分、仕事をしましたよ〜。
あと38ページ、残ってる〜。9時からBSの「エリザベス1世」を見ようかと思って終えたのだけれど、明日のために終わらせちゃおうかなぁ。
明日と明後日で6袋分の校正をして、28日の正午までに届ける。ギリだなぁ。
あ〜テレビ、始まっちゃった。

知人の、大村あつしさんの著書『エブリ リトル シング EVERY LITTLE THING(人生を変える6つの物語)』が、明日(26日)の朝、6時52分からの「めざましテレビ(フジ)」で紹介されるそうです。

だー。結局終わらせたー。今、印刷してます。38ページに1時間半もかかった。
まーぶるがクンクン啼いている。トイレして、またちょっと歩いちゃおうかな。

2007年06月25日(月) No.163 (日記)


まーぶるがいる

寝室にまーぶるがいる。昨日の14時からハウスにいる。
小分けにしたご飯を数回に分けてあげて(ボスから分けてもらっているという意識を植え付けるために1度にあげるんじゃなくて少しずつあげるのだそうだ)、お水をあげて(日に3度くらい。犬には汗腺がないので、あげ過ぎないほうが良いらしい)、トイレに誘導して(3〜5時間に1度くらい)、あとは大人しくハウスで過ごす訓練。
くーんくーんと思い出したように泣かれて、昨夜はよく眠れなかった。
別の部屋で寝ようかと何度、思ったことか。
でも昼間も夜も別の部屋じゃ、まーぶるが可哀想だ、と我慢した。
寝不足である。
今日のまーぶるは、とっても良い子。
さっき、部屋の中でリーダー・ウォークしちゃった。火曜日まで禁じられてるのだけれど。終えた後も、ぐずることなくハウスで大人しくしているから、大丈夫。
しかし眠い。金曜日の英会話と、今日の両親との夕食と、来週の水曜日の短歌講座に行くために、この1週間、連日7時間、机に向かって仕事したのに、英会話と夕食はキャンセル。来週の木曜日の納品日前に、また徹夜になりそうだから。
徹夜は駄目。集中力がなくなるばかりか、ミスまで出るから。
水曜日の短歌講座には行けるだろうか。
右手首が痛い。ずいぶん速く打てるようになってきたんだけどなぁ。まだまだなんだなぁ。
さ、まーぶるに夜のご飯をあげよっと。

2007年06月24日(日) No.162 (愛犬)


ボス指南・6回目

昨日の話。

訓練師さんとまーぶるだけ家に来た。

23日でやっと1ヶ月なのだが、次の1ヶ月間は、まーぶるとふぅと交替で、我が家での居方を覚えるという訓練になるとのこと。
まずは、まーぶるが家で寝泊まりする。
ボスはわたし。次がまーぶる。最後にふぅ。という序列を、徹底的に覚えなければならない、とのこと。
体が小さくても、まーぶるは、わたしの次の2番目なのだそうだ。先住犬で、縄張り意識がふぅより強いから。
訓練師さんの家でも、ミニチュア・ダックスの女の子(5歳)が、シェパード(2歳・男の子)より上なのだそうな。へー。

という訳で、ハウスからトイレへの誘導の仕方、トイレからハウスへの誘導、ご飯のあげ方、の復習から訓練は始まった。
そして、部屋の中でのリード・ウォーク。そこから「ハウス!」と声を掛けて、ハウスに入らせる訓練も。

「ピーピーと啼くのもワンワンと吠えるのも、同じことだと思ってください」
「リードを引っ張るのは合図なんです」
「いい子だったときに思う存分ほめてあげて、そのほかは無視してください」
「指示語は1度。何度も言わない」
「いけないことをしたら、3秒以内にリードを引っ張って。なぜなら犬は3秒で前のことを忘れるから。3秒過ぎたときに叱っても何にもなりません。混乱させるだけです」

別れ際に「いい子だったねー。じゃまた土曜日ねー」と言いながら撫でたら、
「別れのときや出かけるときに話しかけないでください。分離不安に陥りますから。黙って出かけて、黙って戻ることを守ってください」と叱られた。

2007年06月22日(金) No.161 (愛犬)


ボス指南・5回目

昨日の話。

公園で犬たちと訓練。

前半は、引きが弱いと相変わらず怒られる。
だって、訓練師さんに引っ張られてまーぶるが「キャン!」と啼くのだもの。
「どうしても力でねじ伏せなくちゃいけないのですか?」と反発が……。
「犬はとても頭がいいんです。あの鳴き声も、ああいう声を出せばゆるくなると学習したあとの声なんですよ」
信じられない。
そういう知恵は、犬は人間のようには使わないと思い込んでいた。
「歩く方向を急に変えたり、急に止まったりという、この訓練も、すぐに習得して、すぐ飽きちゃうんです。今度は、歩きながらリードを交換しますよ」
ふぅのリードを訓練師さんに手渡し、まーぶるのリードを受け取った。
「急に走ったり、止まるようにゆっくりゆっくり歩いたりしてみてください」
走ると、まーぶるは喜んだ(跳ねるようについてきたのでそう思った)。
何度もリードを交換した。リードを持った人に従う、という訓練らしい。
次に、タッチング、という訓練を教わった。
犬の上にのしかかるようにして、お座り、伏せ、ごろりとお腹を見させて撫でさせる、というもの。よその犬が近づいてきても(実際、お散歩仲間のぶーちゃん・ベッキーちゃん・チャブちゃんが来た)、態勢を変えさせない訓練。
まーぶるは起き上がりたがった。
ふぅは、訓練師さんに組み敷かれ、よそ見さえしていなかった。
これで爪切りまで行くのだそうだ。えーっ。トリマーさんにおまかせでわたしは一度も犬たちの爪を切ったことがない。

2007年06月20日(水) No.160 (愛犬)


この空は

昨日の話。

noemiさん(伊津野重美さん)の日記で、てっぺんに黄色いものをいただいたビル(アサヒアートスクエア)での催し物があると知り、仕事の合間を縫って、自転車で行って来た。
4Fのホールは天井が高く、すべすべした木の床で、ステージもフラットで、外国みたいだった。
プログラムによると、楠原竜也さんというかたのパフォーマンスから開始。
お客さまに食前酒のカクテルをお作りし、それをお客様と一緒に楽しんでしまうという、パントマイム的ダンスというか、何というのか、開幕に相応しいエンターテインメント。

そして、noemiさんと、チェロのかたと、コンポウザー(でいいのかな)のかたと、ダンスの佐藤美紀さんの「beku-hai!」が始まった。
カッコ良かったー。noemiさんの『紙ピアノ』朗読も、音楽も、ダンスも。
最初は壊れそうな、でも一生懸命「大丈夫 大丈夫」って囁きかけてくれるnoemiさんの歌が、「1」「2」と「120」までカウントする独特な形で決めるダンスのあとからは、俄然力強くなって、

・ブラインドの羽傾けて天上の光を入れる 強く生きたい
            
・この空はあなたに続く蒼さもつ あなたがわたしを忘れる日にも
               
               (『紙ピアノ』伊津野重美さん)

の言葉が鮮明に聞こえて、顎を上げて、でも強がりでも何でもなく、毅然と生きて行こうねって、わたしにエールを送ってくれたように感じて……。

自転車で出かけて、良かったです。

2007年06月18日(月) No.159 (日記)


暑いですね

うぅ。淋しくってならない。ワンコたちが家に一時でも戻ってきたからだろうか。

今日はまだ1時間しか仕事をしていない。

ジェフリー・アーチャーの『ゴッホは欺く』(上)(下)を読み終えてしまった。
『ケインとアベル』や『チェルシーテラスへの道』などよりずっとラフだなぁ、違う人が書いたのではないかしら、と思っていたら、最後の最後に「解説」を読んで納得した。
書き分けているのだそうだ。ふーん。

水曜日の話。
5月、まるまる休んでしまった「短歌講座」へ。
宿題は、好きな映画・書籍を折り句で、というものだった。
ケーリー・グラントとデボラ・カーの『めぐり逢い』を詠んだ。
ちょうどBS2で放映していたのを見たのだ。
自分ではたった5首でよく表現できたな、とご満悦だったのだが、不評でありました。
5首では世界が見えない。説明がいるのでは? どれも内側を向いている。などなど。
休んだ5月が悔やまれる。
もうどこにも発表しないと思うので、載せてみます。


『メリー・クリスマス』

・目の前に話の弾む男性(ひと)のいて落ちてしまえり怖いものなし

・ぐずぐずと周囲(まわり)の関心気にしつつ過ごした日々の心残りが

・立腹を招いてしまう事故という試練なりけり我らが主(ちち)の

・逢いたくてでも逢えなくて自立こそ先への希望ただ一心に

・いつの日か待ちわびていた瞬間がクリスマスなら御名(みな)を讃えん


2007年06月16日(土) No.158 (小説・短歌・詩)


ボス指南・4回目

昨日の話。
夕方から雨が降ってきたので、犬の訓練師さんに「雨天決行ですか?」と電話をした。
「2頭を連れて自宅に伺います」と訓練師さんは言った。
まーぶるとふぅが家に帰ってくる! 私は何だかとてもドキドキして、トイレを整えたりお水を器に入れたり、テーブルを片づけたりした。
しかし、現実は、家に戻ったというより、試練でしかなかった。やはり。

ハウスの置き場所を決めたり、ご飯のあげ方を習ったり、ハウスからトイレへの誘導の仕方を練習したり、それであっという間に時間は過ぎて、あっという間にまーぶるとふぅは訓練師さんと共にいなくなった。
まーぶるはハウスに入れられたままの移動だったので見えなかったが(まーぶるはずっと小声で「出して出して」と啼いていた)、ふぅは重いのでリードでの移動だった。訓練師さんが玄関のドアの前で立ち止まると、例のリード引っ張りをしてふぅを座らせ、座ったところでドアを開け、出て行った。
訓練師さんの顔を見るだけで、私に目をくれる余裕はなかった。

胸苦しさを拭えない。
閉所恐怖症なので、まずあのハウスにドキドキしてしまうし、トイレもお水も私がコントロールするということにも抵抗があるし(膀胱炎になったり脱水症状を起こしたりしないのか?)、お留守番のときだけではなく日中もハウスに入れたままというのも(分離不安をなくさせるためとはいえ)、私には無理そうだ。

と、ここまで書いたところで会社から電話。12時半だった。
「あの、原稿は……」
「え、メールで送りましたけど、届いてませんか……」
「いえ、あの、夏瀬さんを待ってるんですけど……」
「えっ! 仕切書にメールとしか書いてなかったので、元原稿を持って行くのは最終締め切りの28日でいいのかと思ってました。元原稿も今日のお届けだったんですね。すみません! これからすぐ支度して、すぐ持って行きます!」

という訳で、またまた失敗をしでかし、平謝りの巻。

夜は、「上野を英語で案内しよう(英会話初級)」講座へ。

2007年06月15日(金) No.157 (愛犬)


ボス指南・3回目

今日はふぅだけだった。
訓練師さんの車から降りてきたふぅは、やっぱり車に酔っていて、よだれを垂らしていた。可哀そうに。
首を絞めるリードの引っ張り方が、まーぶるより大きい分、それだけ力を要するので、「遠慮してないですか?」と訓練師さんに言われてしまう。「しっかり指示を与えないと、ふぅが混乱するだけですよ」と。
ふぅちゃんも、まーぶると同じように、褒めると飛びついてきた。
立ち止まると、指示を与えなくても自発的にお座りをして、私の顔を見上げるふぅちゃん。
「いい子だね〜」と撫でまわさずにはいられないではないか。
「私はただ、吠えなくなってくれればいいだけなんです」と、つい辛さから抗議してしまった。
「これが基本なんです。誰が指導権を握るのか犬に解らせないと何も始まらないんです。飼い主さんの言うことを聞くことが、犬たちの喜びにならないと。口を酸っぱくして言い続けますけど、飼い主さんが変わらないと、この訓練も無駄になるんですよ。犬は大丈夫。変わります。問題は飼い主さんです」
うぅ。分離不安に陥っているのは私だ。
首を絞める部分が鉄の鎖のリードに、慣れるのだろうか……。
お別れに好きなだけ撫でさすることもせず、目も合わせず、一人家に戻った。

2007年06月12日(火) No.156 (愛犬)


046:階段(夏瀬佐知子)

ぐるぐると言葉が回り階段にしゃがみ込んでた上に行けない

2007年06月11日(月) No.155 (小説・短歌・詩)


045:トマト(夏瀬佐知子)

夕立に出て行けなくて窓越しにプチトマトつむ大家さん見る

2007年06月10日(日) No.154 (小説・短歌・詩)


044:寺(夏瀬佐知子)

下町の寺のとなりの幼稚園たずねてみればなんて小さい

2007年06月10日(日) No.153 (小説・短歌・詩)


043:ためいき(夏瀬佐知子)

ためいきをつくたびわれは黒くなりついには闇にとけてゆくかも

2007年06月10日(日) No.152 (小説・短歌・詩)


季節の変わり目に

・どうせなら一気に白くなりたいと願えどことはままならぬなり

43歳を迎えてすぐの頃、からだに白いものを見つけた。
ショックだった。そんな年齢になったのかと。
どうせならこの際一気に外見からおばあさんになってしまえば、仕事でも家庭でも、これからの在りようを決められるのではないかと思った。

・寝室に閉じ込めようと思うほど致命傷ではないかもしれず

・なんというエネルギーのいることでしょう先の知れない独りの朝は

一人には慣れていたつもりだった。
しかし、四半世紀一人の暮らしではなかったというのは、殊のほか大きなことだった。

・思い出を呼び覚ます点を線などで繋げなくとも夢に現る

まだ腹を立てている自分がいた。
死んだものと思うことさえ癪だった。

・枝垂れるか源平桜 白黒をつけてくれよと花になりしも

散歩をしながら花を眺めて、白黒をつけたいのは自分ではないか、と思った。

・それぞれの愛のかたちに吐くなんて浅いと思う木蓮を踏み

白い木蓮が地に落ちると薄茶色になって、乾いていない花を踏むと吐しゃ物を踏んだような感じがして、不意に、人それぞれの愛しかたを許容できないなんて浅い、と思うのだが……。

・風邪なのか花粉症なのかはっきりとしたところで沈丁花だった

・笑うならお腹を抱え身をよじり目は細めてと頼まれたっけ

・痛い痛い頭が痛い悪い悪い気持の悪い季節が変わる



*「未来」6月号に載った9首。それに散文をつけてみた。

2007年06月09日(土) No.150 (小説・短歌・詩)


ボス指南・2回目

犬たちとの散歩コースである公園へ、約束の時間に、一人で歩いて行った。
遠かった。
「私はボスだ。目を合わせちゃいけない。抱き上げてもいけない」
と自分に言い聞かせながら。
内心、そんなボスになんかなりたくないけど、とどこかで思いながら。

訓練師さん二人とまーぶるが歩いてきた。
まーぶるは私のほうを見なかった。ふぅがいない。
「今日はまーぶるだけにしました。いきなり2頭では混乱するかと思ったので」
と訓練師さんは、私に十分近づいてから言った。
歩いていたときは、リードを持っている訓練師さんの顔を見ていたまーぶるが、立ち止まると、私の足に飛びついて鼻を押し付けてきた。私はさっとまーぶるから視線をそらし、訓練師さんを見た。「そうですか」と言いながら。
訓練師さんはリードをきゅっと引っ張った。
私はまーぶるが条件反射のようにお座りをしたのを目の端で捉えた。
泣きそうになった。

引っ張ると首が絞まるリードの持ち方を教わった。
ボスより先に歩いたときの方向を変えながらの引っ張り方、ボスが立ち止まってもお座りの形にならないときの引っ張り方を教わった。
「よし、いい子」と頭を撫でるとまーぶるが私に飛びついてくるので、触らずに言葉だけで褒めてあげてください、と言われてしまう。
こんな風に、絶対服従させないと、ボスにはなれないのか。
息苦しく、哀しく、やめてしまいたかった。

訓練師さんに褒められた。一度でこれだけ歩けるのはすごいです、ちゃんと目を合わせず(上の者は下のものを見ない。下の者が上の者の顔色を窺うんですからね)、偉かったですねぇ、と。
まーぶるは解ってますからね、夏瀬さんがどんなに愛してくれているか。私たちが感じるんですからそれ以上にまーぶるは感じてますよ。
じゃ、また来週の火曜日に。

訓練師さんに抱っこされて、まーぶるは行ってしまった。

犬を飼う意味を履き違えていた。
と、一人で帰る道すがら、考えた。
しかし、揺れたままである。

2007年06月07日(木) No.149 (愛犬)


042:海(夏瀬佐知子)

わたくしの身のうちに鳴るしらべならボレロであれよ海は空へと

2007年06月07日(木) No.148 (小説・短歌・詩)


041:障(夏瀬佐知子)

障害馬の太き脚見て体から立ち昇る湯気見て懐かしい

2007年06月07日(木) No.147 (小説・短歌・詩)


040:ボタン(夏瀬佐知子)

ジージャンのボタンをひとつ失くしたら全部種類を替えて着ていた

2007年06月07日(木) No.146 (小説・短歌・詩)


039:理想(夏瀬佐知子)

理想からなんでも遠くなってゆくそんなものよと言うものか まだ

2007年06月06日(水) No.145 (小説・短歌・詩)


038:穴(夏瀬佐知子)

穴蔵を蟻のように歩くさまをありありと見るアリスのようだ

2007年06月06日(水) No.144 (小説・短歌・詩)


037:片思い(夏瀬佐知子)

やめなくちゃやめなくちゃあと呟きつげんなり見上ぐ片思い月

2007年06月06日(水) No.143 (小説・短歌・詩)


ボス指南・1日目

校正の仕事を納品してきた。
引き換えに仕事はもらえなかった。
と思いきや、明日、宅急便で自宅に届けると言う。
辞典の校正と、どなたかが打ち残した分の打ち込みだとか。
届いたものを見てから、納品日の相談をしましょう、と。
良かった。急ぎの仕事じゃない。徹夜しなくて済みそうだ。
と思うが、先方の量と私の考える量には大きなへだたりがあるので油断は出来ない。とも思う。

犬の訓練師さんとの打ち合わせ。
7日から始まる合同訓練の前に、「犬の本能と習性」を、プリントを元に勉強させられた。
問題は、犬の社会的本能だということが分かった。
群れ、権勢、服従、警戒、防衛、堅守、闘争、帰巣本能などで構成される、社会的本能。
要するに、私の飼い方(可愛がり方)が、まーぶる、ふぅ共に、自分が1番だという傲慢な自我を育ててしまったということ。
7日に、2週間ぶりに再会しても、「まーぶるー! ふぅちゃーん!」と駆け寄って、撫でてはいけないのですって。目を合わせないほうがいいのですって。ただ黙って立っていてくださいですって。
びえーん。リーダーってそう? そんなことして、私が「おいで」と言ったら、ちゃんと、何はさておき彼女たちはすっ飛んで来るの?
来るのだそうです。服従本能があるから。
自分がボスになりたい子は、常に飼い主さんを「さあ私の奴隷になる?」と試すのだそうです。権勢本能があるから。
私が理想としていた関係(一緒に眠ってもどんな状況にいても私の言うことをよく聞くとっても良い子)になるには、私が毅然としたボスぶりを徹底的に彼女たちに知らしめた、そのあとのことらしい。
そんな日が来るのだろうか……といささか不安、というか自信がない、と言うのは、あまりに情けないか。
ともあれ、吠えて犬を連れたおじいさんを転ばしてはいけないと、それだけは忘れずに、頑張ってみます。

2007年06月05日(火) No.142 (愛犬)


自転車で道に迷う

昼間、自転車で区役所に向かったのに、なぜか家のある通りに戻ってしまう、ということを二度ほど繰り返した。
狐につままれたようだった。
かっぱ橋の商店街で、また方向音痴になった。どっちが上野方面か浅草か、分からなくなってしまうのだ。
暑かったからだろうか。
信号を待って横断歩道を渡ると、なんだか街が、全く知らない顔になってしまうのだ。
心なしか頭も身体もふわふわして、これが白昼夢というやつかしら、とか思いましたよ。

とは言え、キッチン道具のお店の人に聞いて、無事にたどりつけたんですけどね。

いっくら印鑑登録カードを家中隈なく探しても、ないわけでした。
紛失届け出用紙を提出したら、「あの、お作りになっていないようなんですけど……」と、窓口のお姉さんに言われたのです。

そのあと、お昼を食べに入ったお店で、不動産屋さんにバッタリ会った。
「よくいらっしゃるんですか?」
「いえいえ、初めてです。区役所に用事があって来たんですけど、お腹が空いたので……。あ、お店、この辺でしたか?」
「ええ、この裏です」
「ああ、そうでしたね、契約のときに一度来たっきりで、そうでしたね」
あとはテーブルを一つ挟んだ隣りで食事をして、先に食べ終わった不動産屋さんが、「どうぞごゆっくり」と言って、お店を出て行ったのでした。

帰りはずっと見知った街のままで、いつもの美容室で髪を揃え、いつものスーパーで買い物をして、家に戻ることができました。

2007年06月05日(火) No.141 (日記)


6月。もう半年か〜

昨日はテレビを聞くんじゃなくて、久しぶりに見た。
ルパート・エヴェレットとマドンナの「二番目に幸せなこと」。「オーラの泉」。「こんにちは、母さん」。「すべらない話」。
「ハーレクイン・ロマンス」220ページを昼過ぎには読んでしまったからだ。もとい、校正してしまったからだ。5日の納品だから、今日と明日、船仲間の通信短歌に使える。
「ハーレクイン」、面白かった。ストーリーをなぞるだけの、甘いだけの関係小説。局部の具体的な筆記がないだけで、全編、官能のみではありませんか。ゴールは結婚だし。B級ラブ・ストーリー映画を見ているようだった。
でも面白かったな。たまには良いかも。

散歩に出なくなって1週間が過ぎた。腰が痛い。昨日、寝っ転がってテレビを見すぎたせいか、運動不足か。両方でしょうね、きっと。

2007年06月03日(日) No.140 (日記)


完成品が残っていない?!

大失敗。
31日に収めた仕事に不備があって(フロッピーに保存してそれを原稿と共に手渡すのです)、やり直すためにPCを開けば、PCに保存したつもりのファイルも、保存されていなくて……。
原稿は返却してしまって手許にないし……。
午前6時の作業は、やはり、駄目だ〜。
何とか校正紙のコピーのファックスだけでやりなおしたけれど、ファックスされてきた文字はつぶれて読みにくいし……。
「急いで」という言葉に心がはやって、読めない字を〓(ゲタ)にせず、いい加減に打ってメールしてしまった……。

もう仕事、もらえないかも……。

2007年06月02日(土) No.139 (日記)